青函航路 | 乙参嗜好-オッサンシコウ乙参嗜好-オッサンシコウ

青函航路

2019年9月 津軽海峡の青森~函館間をフェリーで渡る。 沢山の船が行き交うこの航路は、昔から北海道と本州の物流の要だった。 青森と函館を結ぶフェリーは、2019年現在、津軽海峡フェリー株式会社が運営する、「津軽海峡フェリー」(旧東日本フェリー)と、共栄運輸株式会社と北日本海運株式会社が共同運営する「青函フェリー」がある。 津軽海峡は、富山から北海道へ行く際、いづれかの手段で過去10回以上は渡っている。 最後に海峡を渡ったのは、1992年に函館~青森を東日本フェリーの「びるご」という名前の船で渡ったのが最後である。 その後は、直江津~室蘭、新潟~小樽等の長距離フェリーを利用していた。 22年ぶりに船で北海道へ、27年ぶりに津軽海峡を渡るため、青森フェリーターミナルを訪れてみた。        

青森フェリー埠頭

函館へ向けて出港する 「はやぶさ」

ターミナルへ着くと、ちょうど2番のりばから11時35分発の青函フェリー「はやぶさ」が出港して行った。

共栄運輸:はやぶさ(4代) 2014年就航、2949総トン、全長114.85メートル、旅客定員300人、車両積載数:トラック32台          

津軽海峡フェリー、青森ターミナル

一番北側の1番バースの横に建て替えられたターミナルビル。 2008年、リベラ傘下時代に、建てられたようだ。 2番のりばと3番のりばの間にあった取り壊れた旧ターミナルが懐かしい。          

4番のりばに停泊する「ブルーマーメイド」

青函航路は、津軽海峡フェリー4隻、青函フェリー4隻の計8隻のカーフェリーが行き来している。 2つのフェリー会社が共用する青森のフェリー埠頭は、一度に4隻のフェリーの人と車の乗降ができる設備がある。

津軽海峡フェリー:ブルーマーメイド 2014年就航、8860総トン、全長144メートル、旅客定員583人、車両積載数:トラック71台(または乗用車230台)

         

フェリー埠頭より、旧青函連絡船桟橋方面を望む

三角の建物は、「青森県観光物産館アスパム」、左に「青森ベイブリッジ」、中央に旧青函連絡船の「八甲田丸」が見える。          

青森港に入港する「あさかぜ21」

先程出港した「はやぶさ」とすれ違うように入稿してくる、函館8時10分発、青森12時10分着の「あさかぜ21」         北日本海運は、「あさかぜ5号」と、「あさかぜ21」の2隻を運行している。 青函フェリーは、2000年の海上運送の改正までの間、旅客を扱わない貨物専用フェリーとして運営しており、一般客が乗船することができなかった。 1987年、家族で函館へ行ったとき。一般旅客を扱う東日本フェリー(現津軽海峡フェリー)の予約が取れず、函館港で働く祖父の口利きで、一度だけ北日本海運の青函フェリー「あさかぜ3号」に乗船したことがある。 当時の青函フェリーは、車両甲板が完全に覆われておらず、船体の4分の1程が露呈しており、客室のある甲板から、車両甲板を覗くことができた。 一般客は、私と父と母の3人しかおらず、他はすべてトラックドライバー。キャビンは小さく、船室は2等船室が一つあるだけだったのを覚えている。           2番のりばへ着岸した、「あさかぜ21」 減速しながら岸壁へ近づいてくる。ロープで船を固定したあとに、船首のバウバイザーが開き、車が渡るランプ(橋)を下ろされ、中から車が降りてくる。 これが、フェリーターミナルで見られる一般的な光景である。 北日本海運:あさかぜ21 2009年就航、2,048総トン、全長101.52メートル、旅客定員198人、車両積載数:大型トラック24台、小型トラック2台           1番のりばへ、後進で着岸する、青森15時50分着の「ブルードルフィン2」 係船ロープを受け取るため、作業員が待っている。 この船に乗船し、17時05分に函館に向けて出発する。         岸壁では着岸作業が行われている           係船作業中の岸壁。           ホーサーで固定され、着岸が完了した「ブルードルフィン2」 奥に見えるのは、2番のりばで荷役中の、共栄運輸「3号はやぶさ」。 「ブルードルフィン2」は1994年に「ほるす」として就航し、唯一東日本フェリー時代から使用されている船体である。 1994年当時、青森~室蘭航路に「新造船ほるす就航」というチラシを持っていた記憶がある。 韓国の国際航路に就航したり、同航路へ戻ったりと、幾度か名前を変える等の数奇な運命をたどっている。 津軽海峡フェリー:ブルードルフィン2 1994年、東日本フェリー「ほるす」として就航。 2008年、「パンスター・ハニー」と名を変え、韓国のパンスターラインでクルーズ船として就航した後、釜山~大阪、釜山~金沢航路に就航。 2010年、「ブルードルフィン」として再び青函航路へ復帰。 2016年、2代目「ブルードルフィン」の就航により運行終了。 2017年、「ブルードルフィン2」として再就航した。 7,003総トン、全長136.4メートル、旅客定員586人、車両積載数:トラック65台または乗用車200台          

乗船、出港

ボーディングブリッジを渡っての乗船 青森では、車での乗船しかしたことが無く、初めての体験だった。         2本の煙突       岸壁に設置される防舷材         2番のりばに停泊する、青函フェリー「3号はやぶさ」 共栄運輸:3号はやぶさ 2000年就航、2,107総トン、全長101.62メートル、旅客定員105人、車両積載数:トラック25台           青森フェリーターミナルの敷地と、2番のりばから乗り込むトラック           ランプ(橋)を上げて出港する。           青森中心部を望む 堤防の外は、波が荒いことがわかる。波消しブロックが有効であることがわかる構図である。           青森港を後に、速度を上げる           陸奥湾に錨泊する、貨物船 (左)鶴見サンマリン株式会社「鶴令丸」 (右)横田海運株式会社「第一二 近雄丸」           17時27分、函館14時10分発(青森17時50分着)の「ブルードルフィン」とすれ違う 津軽海峡フェリー:ブルードルフィン 2016年就航、8,800総トン、全長144.12メートル、旅客定員583人、車両積載数:12メートルトラック70台、8メートルトラック1台、乗用車30台           17時49分、函館14時35分発(青森18時25分着)の「あさかぜ5号」とすれ違う 北日本海運:あさかぜ5号 1998年就航、1,958総トン、旅客定員103人、車両積載数:トラック24台       船首がかき分ける波           下北半島、牛ノ首岬、北海岬方面         17時53分。津軽海峡の夕日。           日が沈み、照明が甲板を照らす          

函館、到着

20時32分。エンジン音に変化があったので、窓を覗いてみると、函館が見えた。         誰もいなくなった船室 下船のため、車利用以外の乗船客は、エントランスへ集まった。 ディーゼルエンジンの振動が伝わる船内は、懐かしさを感じた。           20時45分。函館ターミナル、定刻通り4番のりばに着岸した「ブルードルフィン2」 これで、3時間40分の船旅が終わる。           青森への乗船を待つ車。           函館ターミナルビル 以前、90年代に利用した頃は、2階建ての古い建物だった。 その頃は「東日本フェリー」という社名で、本州と北海道を結ぶ10以上の航路に船を走らせ、20隻を超えるフェリーを運行させていた。 黄色、オレンジ、赤の3本のラインが入った船体が特徴的だった。 90年代には日本海航路に進出、直江津から博多まで航路を伸ばし、90年代後半には、大洗、仙台航路と共に13,000トンを超えるの大型長距離フェリーを6隻も運行していたが、その後資金繰りが悪化。 2003年に会社更生法を申請し、運営会社が何度か変わりながら、今の津軽海峡フェリーとなるが、変わらないイルカのマークは、とても懐かしい。           馬を輸送するトラックが泊まっていた。 北海道っぽい風景である。   迎えのタクシーで、ホテルまで移動する。 久々に良い船旅ができた。


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