カティーサーク
2017年9月 ロンドン グリニッジのカティーサークへ
ウエストミンスター桟橋から、シティ クルージーズ グリニッジ桟橋で下船。ここには、ロイヤルミュージアムグリニッジとして、いくつかの博物館や展示がある。桟橋の目の前には、19世紀に建造された帆船「カティーサーク」がそのまま保存公開されている。
桟橋を降りると、目の前にカティーサークがある
なぜこの船を見たかったのかと言うと、私が幼い頃に父が作った木製模型がたまたま「カティーサーク」だったのだ。実家の2階の窓の上に飾られて、触らせてもらなかったのを覚えている。この船から名前を取ったウイスキーもあり、ミニボトルが食器棚にオブジェとして置かれていた。
そして私が最初に覚えた船の名前だった。
船底は銅板で覆われている
船体はドックに固定され、下から見上げる事ができる
カティーサークは、ティークリッパーと呼ばれ、中国からイギリスにお茶を運ぶために作られた船だ。それまで船の主な動力だった帆走から石炭を使った蒸気機関に時代が変化する頃だった。
帆船は、風が無ければ進む事はできないが、蒸気船と比べ、燃料を積載しないので、その分大量の荷物を詰め、補給の寄港も必要は無い。当時の蒸気船の性能では条件さえ揃えば追い抜く事もあったそうだ。
カティサーク (Cutty Sark) とは、スコットランド語で短い (Cutty) シュミーズ (Sark) を意味し、ロバート・バーンズ (Robert Burns) 作の詩「タモシャンター」Tam o’ Shanter に登場する魔女に由来する。
農夫のタムが馬にのって家路を急いでいると、悪魔や魔法使いが集会をしているところに出くわした。そこでタムは、カティサークを身にまとった若くて妖艶な魔女に魅了され、思わず手を出そうとした。そのとたん、にわかに空が暗くなり、魔女たちがタムを捕まえようとした。タムは馬にまたがり、命からがら逃げ出した。カティサークの魔女は馬の尾をつかまえたものの、尾が抜けてしまったため、タムは逃げのびることができた。
カティサーク号の船首像はカティサークを身にまとった魔女であり、その手には馬の尾が握りしめられている。